お家で生肉を調理する際に注意したいポイント
もくじ
注意したい生肉による食中毒
夏に多いイメージがある食中毒は、暑い時期だけに発生するわけではありません。
生肉による食中毒の代表的なものをご説明します。
サルモネラ菌
- 症状:主な症状には、下痢、腹痛、発熱、吐き気、頭痛などがあります。重症化すると脱水症状や敗血症を引き起こすこともあります。
- 感染経路: 主に鶏などの家畜、その腸内に生息しており、生肉や生卵、汚染された水や食品から感染します。
- 予防方法: 十分な加熱をすることが重要です。特に、鶏肉や卵はよく加熱してから食べるようにしましょう。
カンピロバクター
- 症状: 主な症状には、下痢、腹痛、発熱などがあります。重症化すると、関節炎や脳炎を引き起こすことがあります。
- 感染経路: 家畜や牛などの動物の腸内に多く存在し、生肉や生乳製品などから感染することがあります。
- 予防方法: 十分な加熱をしてから食べることが大切です。
腸管出血性大腸菌
- 症状: 主な症状には、下痢、腹痛、吐き気、発熱などがあります。合併症として、溶血性尿毒症症候群(HUS)があります。
- 感染経路: 牛の腸内に多く存在し、生肉や汚染された水、未加熱の乳製品などから感染します。
- 予防方法: 生肉や生野菜を避け、加熱処理を十分に行うことが重要です。
お家で生肉を調理する際に注意したいポイント5つ
1.購入後はすぐに冷蔵庫・冷凍庫へ
買い物から帰宅後は、お肉はなるべく早く冷蔵庫に入れてください。通販などで購入した冷凍のお肉も、解凍する日でない場合は届いたらすぐに冷凍庫で保存してください。生肉は鮮度が落ちやすいので、早めに保存することが重要です。
冷凍したお肉の安全な解凍方法はこちら→(公式オンラインショップ牛たん料理閣|「やってはいけないお肉の解凍方法と適切な解凍方法」)
2.調理前は必ず手を洗う
調理を始める前、また生肉を触った後は、手をよく洗いましょう。手についた細菌が他の食材に付着することで、食中毒の原因となります。アクセサリーも細菌が付着している可能性があるため外しておくと衛生的です。
3.生肉と野菜の調理器具は分ける
食中毒を引き起こす菌が付着したまな板や包丁は生野菜などを切る際には使用しないほうが安全です。ほかの食材に食中毒の菌が付着するのを防ぐのためには、包丁、まな板だけでなく菜箸やトングも分けて使用できるとベストです。
4.十分に加熱する
肉は十分に加熱して食べることが重要です。中心部が 75 ℃で1分間以上になるように加熱すれば、食中毒菌を死滅させることができます。
5.使用後の調理器具は清潔に
調理器具は使用後にできるだけ放置せずにすぐに洗い、清潔な状態に保ちましょう。生肉が触れた調理器具は、中性洗剤でよく洗い、消毒します。
家庭でできる調理器具の消毒方法
熱湯消毒
- 鍋やポットに水を入れ、沸騰させます。
- 沸騰したお湯に調理器具を完全に浸します。
- 調理器具を数分間、沸騰させたお湯の中に保ちます。
- 沸騰したお湯から取り出し、水滴を拭き取ります。
キッチン用の塩素系漂白剤
- 適切な濃度の塩素系漂白剤を水で薄めます(製品の指示に従ってください)。
- 調理器具を漂白剤溶液に完全に浸します。
- 5〜10分間放置します。
- 漂白剤溶液をよく洗い流し、調理器具を水で洗い流します。
消毒用アルコール
- 消毒用アルコールを適量、調理器具に塗布します。
- 調理器具全体にアルコールが行き渡るように拭き取ります。
- アルコールが蒸発するまで放置します。
また、使用後は十分にすすいで水気を拭き取ることが重要です。
知っておきたい生肉のQ&A
Q生肉は洗ってから調理する?
A生肉は洗ってから調理する必要はありません。洗うことで、細菌が飛散して食中毒の原因になる可能性が高まります。調理する前には、必ず手を洗い、生肉を扱った後はまな板や包丁などの調理器具も洗浄してください。
Q加熱する野菜であれば、生肉を切ったまな板で切っても大丈夫?
A十分に加熱する野菜であれば、生肉を切ったまな板で切っても問題ありませんが、生肉を扱った後はまな板や包丁を十分に洗浄し、消毒するか、加熱する野菜であっても生肉を扱う調理器具とは分けることが一番安全です。
Q消費期限が1日だけ過ぎた生肉は加熱すれば食べられる?
A消費期限を過ぎた生肉は、安全性や品質の観点から食べるべきではありません。
消費期限は、食品が最も安全で品質が高い状態であることを示す目安です。期限を過ぎると、食品の品質が低下し、細菌や微生物の繁殖が進む可能性が高くなります。例え過ぎたのが1日だけであっても、加熱をするからと考えずに期限を過ぎた食品は適切に廃棄しましょう。