牛タン専門店が教える【牛たん豆知識】
もくじ
【豆知識①】牛タンはなぜ仙台発祥?
戦後の1950年代、アメリカの駐在軍が多かった仙台には、大量の牛肉が運び込まれていました。そんな中、名店「太助」の初代店主故・佐野啓四郎氏が洋食で使われていた牛タンの旨さの虜になり、試行錯誤の末、今なお定番となっている「牛タン焼き」が誕生。 啓四郎は、これにテールスープと麦飯をあわせて牛タン焼き定食として仙台でお店に出しました。
牛タン焼きが全国的に広まったのは高度経済成長の時代、転勤や出張で仙台にやってきて牛タン焼きを食べたサラリーマンたちの評判が次第に広がり、マスメディアに取り上げられ、”仙台名物”として全国に広まったといわれています。
【豆知識②】牛タンにはなぜ麦ごはんととろろ?
牛タンが発祥した当初、麦飯を使ったのは、当時食糧難でみんながお腹を空かせていたので、お客さんにお腹いっぱい食べてもらうためだったともいわれています。(諸説あり) 今では、麦飯の栄養価が評価され、牛タン定食には麦飯がつくのは牛タン焼きの定番になりました。
「麦とろ飯」もまた有名ですが、 麦とろ飯の「とろろ」に使用されている山芋はビタミンが豊富に含まれており、消化の手助けをしてくれます。 栄養価の高い麦飯と消化の手助けをしてくれる作用のあるとろろの組み合わせで消化吸収の良い定食になるんです。
【豆知識③】牛タン・牛タン定食のカロリーは?
◇牛タンのカロリーは100gあたり約269kcalです。一般的な牛タン1枚は約20gなので、1枚あたり約54kcalとなります。
◇牛タン定食のカロリーは、牛タンの枚数にもよりますが、一般的には約700~800kcalです。
【豆知識④】牛タンの価格はなぜ高いの?
牛タンは、牛の舌の部位で、牛一頭からとれる量が約1kgほどと少ない、希少部位です。
また、現在はコロナ禍での需要の拡大やエサ不足などの様々な要因が重なり牛タンは値上がりする一方。アメリカやオーストラリア産が主流の牛タンは円安の影響も受けています。これからもさらに値上がりすることが予想されているんです。
【豆知識⑤】牛タンにレモンをかけるのはなぜ?
牛タンにレモンをかけると、レモンの酸味が牛タンの旨味をひきたて、牛タンのコクを一層際立たせます。味わいをより豊かに感じることができるんです。また、牛タンには良質な脂が豊富に含まれています。その脂っこさをさっぱりさせたいときにはレモンの酸味がぴったり合います。レモンのサッパリとした味わいが口の中で牛タンの脂を中和し、食べやすくしてくれるのです。
また、牛たんに含まれる栄養素とビタミンCは相乗効果を発揮し、牛たんから得ることのできる栄養効果を最大限に引き出してくれるという効果もあるんですよ。
【豆知識⑥】牛タンにも部位がある?
牛タンには実は4種類の部位があるんです。それぞれの特徴を簡単にご説明します。
◇タン先・・・舌の先の部位です。舌先は筋肉が発達しているため、肉質は固く、やや臭みが強いのが特徴。 煮込むと筋繊維が崩れるため柔らかく、深い旨味を引き出すことができるため、一般的には煮込み料理に使われます。
◇タン中・・・舌の中心の部位です。適度に歯ごたえがありつつも柔らかく、脂ものっていて、旨味があるのが特徴。舌一本からとれる量が多いため、焼肉屋さんやスーパーなどで”牛タン”として扱われていることが多いのがこのタン中です。
◇タン元・・・舌の根元の部位です。牛一頭からとれる量が少ないため、牛タンの中でも希少部位とされています。舌の根本はあまり動かさないため筋肉も発達しておらず、最も柔らかく、脂ののっている部位です。 厚切りにして牛タン焼きとして食べるのが一番おすすめで、プリッとした食感とジューシーな最高級の味わいを楽しむことができます。
◇タン下・・・舌の下側(裏側)の部位です。タン下は筋が通っているので固く、少し臭みがあるのが特徴。しかし、煮込むとほろほろの柔らかさと、脂の甘味と凝縮された旨味から味わい深い極上の風味を味わうことのできる部位になっています。